たまごんのブログ

精神的に遊牧民化している人間のブログ.

ミニマリストのエスノグラフィー

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今回はミニマリズムに関する記事です。

日本のミニマリズムには、二つの流れがあることについてです。

なお、ミニマリズムに関心のない人もいるかもしれないので、まずは他国での事情や関連書籍の紹介をしていきます。

 

  

世界を席巻するミニマリズム

ざっくりいうとミニマリズムとは、機能的ではない物はなるべく排し、精神的な豊かさを求める価値観のことです。

目下、ミニマリズムは先進国を中心に雨後の筍のように普及しています。

たとえば米国ではタイニーハウスという、小型の家で暮らすことがクールだと考えられるようになりました。

こうした流れについては、後述する人文系ミニマリストの寝太郎こと高村友也さんやしぶさんも自著のなかで紹介しています。

 

『荒野へ』という本

米国や欧州でベストセラーになった『荒野へ』という本も、諸外国でミニマリズムが台頭する要因になりました。

その本は後述するピュアなミニマリストの佐々木典士さんも自著のなかで紹介していますが、このブログでも以前紹介したことがあります。

 

荒野へとは、1992年の夏、アラスカの荒野の針葉樹林に放置されていたバスの車内で亡くなっていた、永遠の旅人クリストファー・マッカンドレスの足取りを記録したノンフィクションです。

著者は、登山家の間でも評価の高いジャーナリストのクラカワーです。

<中略>

クリストファー・マッカンドレスの死因については、自殺説や有毒植物を食べたという説や餓死説など複数存在していますけど、真相は謎に包まれたままです。この孤高の旅人は、最果ての地で息絶えるときに何を見ていたのでしょうか。

書籍『荒野へ』 - たまごんのブログ

 

ミニマリズムにシンクロさせながら、再度紹介します。

『荒野へ』とは、1992年の夏にアラスカの荒野に放置されたバスのなかで遺体となって発見された青年の足取りを記録したノンフィクションです。

彼はクリストファー・マッカンドレスという青年です。

クリストファー・マッカンドレスは経済的に豊かで温かな家庭で育ち、つつしみ深く魅力的な人柄だったそうです。

にもかかわらず、彼は財産と荷物のほとんどを捨て名前を変えています。

そして華やかな娯楽を遠ざけ、精神的活動に没頭しました。ひたすら精神の自由を希求しました。

要するに物質的な豊かさよりも、自分の内面に忠実であることを優先するようになったわけです。

そうやって、最後にはアラスカの荒野へ旅立ちました。

けれども、クリストファー・マッカンドレスのひたむきでストイックなスタイル、そしてその深い内面には多くの人が共感するようになりました。

 

人文系ミニマリストとピュアなミニマリスト

さて、ここから日本のミニマリズムに話を移します。

日本のミニマリズムには、大別すると二つの流れがあります

どういうことか?

 

人文系ミニマリスト

ミニマリストというと、たとえば鶴見済さんや寝太郎さんやphaさんを連想する人もいるのではないでしょうか。

この人たちの場合、もともと学術的な基礎教育を受け人文系の教養があったり、サブカル系の活動をしていたりします。そのため人文系やサブカル系のミニマリストに分類できます。

付記すると、人文系ミニマリストの場合は長年ミニマリズムに影響されていて、自分の心の声に忠実に従っている印象がします。

 

鶴見済さん
ライターの鶴見済さん。最新刊『0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方 』はミニマリスト向けの良書ですが、人文系やサブカル系の話題が好きな人にも向いています。近年の鶴見済さんは『不適応者の居場所』という、社会に適応しにくい人や生きにくさを抱えた人も参加できるイベントを主催されています。

寝太郎さん
小屋暮らしをしていた寝太郎さん。寝太郎さんは山林などに小屋を建てて暮らされ、近年の小屋暮らしブームを作ったといっても過言ではありません。寝太郎さんの上梓した『自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ』や『スモールハウス』は小屋暮らしの金字塔です。ちなみに寝太郎さんはいまはアパートで暮らされているようです。

phaさん
ギークはてなブロガーのphaさん。phaさんはギークハウスという、ギークや社会に適応しにくいひとも受け入れるシェアハウスを作ってきました。phaさんは今年の7月に『がんばらない練習』という本を上梓しました。本作は日常の思索が中心になっていて、ギークタイプのミニマリストが壮年になったときの参考にもなります。その文章からは意外とお茶目なおじさんのイメージもします。ちなみにphaさんもいまはアパート暮らしで、執筆に専念されているようです。

 

ピュアなミニマリスト

片や、ミニマリズムに特化したコンテンツを運営しているピュアなミニマリストもいます。

たとえば編集者をされていた佐々木典士さんや会社員のおふみさんがそうです。

この人たちはしばらく正業に就いていて、どちらかというと標準的な生き方をしていました。

そして元マキシマリストだったという共通点がありますが、シンプルにこのカルチャーを探求していると考えられる人たちです。

そのため、すくない持ち物で生きる技術やミニマリスト向けのアイテムを紹介するなど、ミニマリストとしての具体的な知識を紹介している場合が多いです。

付記すると、ピュアなミニマリストの場合は活動をはじめてから比較的日が浅く、やや若いという傾向もあります。

 

佐々木典士さん
某出版社で編集者をされている佐々木典士さん。佐々木典士さんはピュアなミニマリストのパイオニア的な存在です。佐々木典士さんが数年前に上梓した『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』は幅拾い層に好評で23ヶ国語に翻訳され、ミニマリストの入門書のようになっています。最新刊『ぼくたちは習慣で、できている。』も飛ぶように売れています。

おふみさん
会社員が本業ではてなブロガーのおふみさん。おふみさんは結婚されていて夫のおてみさんとともにミニマリストライフを謳歌されていますが、彼女の描く楽しいイラストも評判がいいです。おふみさんのおすすめの本は、ミニマリストになるためにブログの記事が書籍化された『ミニマリスト日和』ですが、本書は汎用性があります。

しぶさん
福岡でミニマリズム関係の事業を展開されているしぶさん。しぶさんはすくない持ち物で生きる方法やミニマリスト向けのアイテムを紹介しています。ミニマリストしぶのブログは月間100万PVの超人気ブログで、福岡の家賃19000円の格安アパートでの暮らしを紹介した記事も好評です。しぶさんが昨年上梓した『手ぶらで生きる。』はいまもコンスタントに売れています。

 

必要な視点

補足しておきます。

以上の解説文から、日本のミニマリズムには二つの流れがあることが分ります。

すなわち、これは人文系やサブカル系の流れのミニマリストを好ましく思う人が、ピュアな流れのミニマリストの情報に偏向してふれる可能性があることを意味します

もっともその逆のパターンもありえます。

その場合、どちらか一方のみを見ることで誤解してしまう可能性があるわけです。

それならば、日本のミニマリズムについて考えるときは二つの流れがあることを念頭においたほうが適切ではないでしょうか

ちなみに人文系やサブカル系の話題が好きな人は前者を好む傾向があります。

万人受けするのは後者です。

双方に良さがありますが、先に説明したことは意識しておいたほうが勉強になります。

 

参考記事

ydet.hatenablog.com

ydet.hatenablog.com