たまごんのブログ

精神的に遊牧民化している人間のブログ.

契約の話

今回は契約に関する話です。

この記事は近年のブラック企業などの報道から、問題のある契約を押しつけられそうになった場合、汎用性のある対処方法を紹介することは意義があると思い書きました。


契約と権利

欧州の先進諸国は移民が多く、多文化共生の社会ですが、そのため自分と他人は違っていて当たり前だということが前提になっています。

欧州の先進諸国のように出身地や血縁や文化的背景の異なる人が同じところに住めば、誤解が生じることもあるでしょう。

そこで欧州の先進諸国の場合、日常の些細なことでも双方の細部の権利を明記した契約書を作成し、書類で契約を交わすという習慣があります。

他方で日本の場合、そうした契約によるリスクに無頓着な人が多いことで、コンセンサスや順当な手続きが省かれることがときどきあります。これは自殺や精神疾患の要因になっている可能性があります。

具体例を挙げれば、近年社会問題になっているブラック企業の場合、労働契約に同意していないのにそうしているかのように扱ったり、コンセンサスを成立させるために本来必要な説明や意思確認が行われなかったりした場合などです。


契約と武士道

歴史を振り返れば、時は1900年。

国際的に賞賛された新渡戸稲造(旧5000円札の人)の『武士道(BUSHIDO THE SOUL OF JAPAN)』において、高潔な日本人の象徴である武士たちの生き方が紹介されています。

武士は武士道の徳目の『誠』の精神を踏襲し、嘘や騙しや陰口などの迷惑行為は取るに足らない臆病者のすることであるから、相手にしないことで退けるようにと教育され軽蔑しました。

そのため、同族である武士同士で約束事をするときは証文を作ることはすくなく、多くは正々堂々と口約束で行われていたそうです。

また、風に吹かれて舞う桜の如く、尊く果てることを考え続けた武士の美意識は、どう生きるかということに転じることになり、その帰結として証文なしでも約束事や契約が成立することになったのでしょう。

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そうしたフェアプレイ精神は日本人の心の奥底にも宿っていますが、しかし他方では契約によるリスクに無頓着にもなりやすいのではないでしょうか。

こちらに新渡戸稲造の『武士道』を参考書籍としてリンクしておきます。

ついでに、普段こういうことはあまりしないのですが、活字が苦手だったり読書する時間がすくなかったりする人にはイースト・プレスの漫画版も、上手に要所がまとめられていて出来が良いので元書店員の立場からおすすめできます。


参考書籍
現代語訳 武士道
武士道 (まんがで読破)


契約のリスクマネジメント

契約を求められた場合、提示した側に明らかな落ち度があっても、異議を申し立ててはいけないという内容が含まれていることがあります。

具体例を挙げると、近年話題になっているブラック企業雇用契約などがそうです。

とはいえ、明らかに人権が侵害された場合、異議を申し立ててはいけないといったことは不当ですし、日本国憲法にも抵触していることは明白です。

コンプライアンス意識のあるきちんとしたところであれば、契約などを行うことで生じる可能性のあるデメリット(副次的なものも含め)についても、具体的表現を以って説明するのが道理ではないでしょうか。

したがって、相手に説明しなければならないと法規で定められていることを説明しなかったり、ほとんど分からないようにしたりしていた場合もそのことによって生じたデメリットを受け入れる義務はありません。

また、契約書の内容やその説明文書に問題があった場合、コピーや撮影をしておくのもいいです。

もし、提出しない場合はその書類にその旨を追記しておくというのもいいです。

あえてその書類の提出期限をすぎてから、提出しない旨と日時と氏名を書類に追記して保管しておくのもいいです。


契約によるデメリットが無効になる場合

契約をしてもその契約によるデメリットが無効になる可能性が高い場合があります。これはどういうことかというと下記にまとめてみました。

  • 契約に同意させるために誣告や強要をされた可能性が高い場合
  • 複数の契約方法があるのに、一つしかないように誣告や強要をされて相手に都合の良い契約をさせられた可能性が高い場合
  • 契約をすることで生じる可能性のあるデメリットを、具体的表現を以って説明せずに契約させられた可能性が高い場合
  • 相手の認知後に具体的に同意を得てからでなければ契約できないと法規で定められている内容を所定のプロセスを経ず、契約させられた可能性が高い場合
  • 契約の方法や目的、また契約することで生じる可能性のあるデメリットを隠蔽や改ざんや偽装をしたり、誤読させたりして契約させられた可能性が高い場合
  • 上記の問題のためにコンスピラシーが行われた可能性が高い場合


調査によるデメリットが無効になる場合

ところで契約を成立させるために調査(たとえば金融機関であれば信用調査など)が行われる場合があります。そうした調査によるデメリットが無効になる可能性が高い場合があります。これはどういうことかというと下記にまとめてみました。

  • 調査に同意させるために誣告や強要をされた可能性が高い場合
  • 複数の調査方法があるのに、一つしかないように誣告や強要をされて相手に都合の良い調査をされた可能性が高い場合
  • 調査をされることで生じる可能性のあるデメリットを、具体的表現を以って説明せずに調査された可能性が高い場合
  • 相手の認知後に具体的に同意を得てからでなければ調査できないと法規で定められている情報を所定のプロセスを経ず、調査された可能性が高い場合
  • 調査の方法や過程や範囲や目的、また調査されることで生じる可能性のあるデメリットを隠蔽や改ざんや偽装をしたり、誤読させたりして調査された可能性が高い場合
  • 上記の問題のためにコンスピラシーが行われた可能性が高い場合


契約と判子

日本の場合、契約書類にまだ押印を求められることがよくあります。

そのため、ブラック企業の場合、本人に無断で労働契約書を作成し、そこに三文判を押印して本人すら関知していない契約をしていたことにされニュースになったことがあります。

これは余談です。

僕の場合、2017年から契約書類には自分で作ったオリジナルの判子でしか押印しないようにしています。

さらにいうと、いまはどのような書類にも代印や代筆の委任や依頼をしないようにしています。

これはこのさきも同様です。

日々の営みでも書類に押印する機会が多い場合、そういう風に注意深くなって予防線を張っておいたほうが無難です。


あとがき

今回はやや極端な話だと思われた方もおられたかもしれません。

それにしてもこちらで説明してきたような問題が確認されれば、一般常識から考えても被害者側が精神的苦痛を感じるのは明らかです。

したがって、精神的苦痛が生じた場合、過去の判例からも賠償請求が認められるようになっています。