精神的遊牧民

精神的に遊牧民化しているミニマリストのブログ.

公営住宅論

今回は、公営住宅に関する話です。

近年、地方から首都圏に引っ越して行った知人たちの話を聞くと、URの公営住宅に入居した人もいました。

URの公営住宅の場合、人間関係のしがらみがすくなく、民間の賃貸住宅よりも家賃が安くなることなどが魅力的なのでしょう。そうした事情も関係し、最近は地方から中央にどんどん人間が吸い込まれている感じがします。

いま僕が住んでいる町も、引越してきたときにはけっこう繁盛していた近所の書店やスーパーが閉店し、郊外を中心に人口減少が深刻とされています。

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ところで、数年前に何気なく、近隣の自治体が運営している公営住宅のサイトをチェックしていたら、中心部への交通アクセスがそこそこ良く、家賃の上限が1万円台の部屋の空き室が多いということに気づきました。

また、遠方の自治体が経営する住宅についても、あれこれサイトをチェックしていたら同様の場合が多くて驚きました。

僕は、条件の良い公営住宅の空き室が余っているということを確認したとき、周囲に同様の意見を持っている人はいませんでしたが、公営住宅を若年層にも提供するべきだということも、各地の行政関係者や市民団体にときどき訴えていました。

ちなみに、僕は住みやすい場所について考えるときにはパターンが存在すると考えています。具体的には、『住むメリット』と『環境リスク』をクロスさせた4種類のパターンが存在すると考えています。

これはどういうことかというと、下記に分かりやすく簡易表記し、後述していきます。


住むメリットと環境リスクをクロスさせたパターン

①住むメリットが高く、環境リスクが高い
②住むメリットが高く、環境リスクが低い
③住むメリットが低く、環境リスクが高い
④住むメリットが低く、環境リスクが低い


前者の住むメリットとは、公共交通機関や住民の寛容さや美人度や物価の程度です。

後者の環境リスクとは、とくに高信頼社会で拒まれやすい愚行権性の低い事件や紛争などの発生率です。それから労働基準法やハラスメントといった迷惑行為、コンプライアンス違反や自殺率や人口減少といった社会問題の深刻さの程度です。

先記の③と④に該当している場合、公営住宅の空き室がたくさん余っているなら、入居条件を緩和させて若年層にも提供していくことで、①や②になったり接近したりすることができるでしょう。ちなみに環境リスクが下がると住むメリットは、相対的に上がる傾向があります。

ところで、近年になって専門学校や大学卒業者の3~4割が、就職などで県外に流出している地方も増えているという、興味深い話を聞いたこともあります。

しかし、たとえば高校卒業者の場合、就職するにしろ進学するにしろ二十歳未満の人がほとんどなので専門学校や大学卒業者と比べると地元に留まることが多いですよね。

その場合、広報誌やオフィシャルサイトやSNSなどで、公営住宅が若年層にも提供されるという入居条件の緩和を通知すれば、先述した人たちにも住居選択の幅が広がり、転出者が転入者を超える転出超過による社会減少の抑制になると思います。

また、地方の場合、首都圏に比べれば長距離通勤になる場合が多いです。だから単身の若年層の会社員やフリーターや公務員にも、職場の近くの家賃の安い公営住宅の空き室に入居しやすくしたり、県外からの移住希望者に優先的な枠を設けたりしてみるというのも良いかもしれません。

現在の社会情勢を考慮すると、そのように家賃の安い公営住宅の入居条件を緩和させて提供していくことは、経済学の視座から中長期的スパンで考えても合理的です。

最近、先見性のあるところほど、若年層にも公営住宅を提供しはじめ、そのことをPRしているという話を聞くようになりました。

こういうことは、実現困難な理想論などではなく、いまあるコンテンツを再利用していくというシンプルなスキームですが、コストが低いというメリットがあります。