精神的遊牧民

精神的に遊牧民化しているミニマリストのブログ.

アウトサイダーの魂

唐突ですけど、真のアウトサイダーの魂について興味のある方には、以前さっと紹介したことのあるヘッセの『荒野のおおかみ』という本をおすすめします。

本書は、ドイツの本物のアウトサイダーによって1927年に発表された傑作で、市民的に生きることが困難な初老のアウトサイダーの葛藤、自分と外の世界に横たわる溝に関する内省的な話が中心に構成されています。

また、本書は1960年代のカウンターカルチャーにも影響を与え、いまも世界中の芸術家や読書家や知識人たちにも愛読されていますが、高橋健二さんの日本語訳は文章の書き出しから主人公の内面描写まで素晴らしい技術です。

一読されてみると、真のアウトサイダーとは、過剰な自己愛や集団の論理とは対極に位置付けられ、それらを冷静に観察していける人間だということが理解できると思います。

とはいえ、僕の場合は気が弱くて小心者なので、アウトサイダーアウトロー度が高いわけでもなく、裏社会や悪い世界のことは難しくてよく分からないというのが実情です。

ちなみに、ドイツ人というと一般的には勤勉で物事を選別して処理する能力に優れ、欧州の基軸となっていると考えられがちです。これは彼の国の社会の底流には、神学や知識人への畏敬の念があることも関係しているのでしょう。

ところで、ヘッセは神学校に進学しましたが、『詩人になるか、でなければ、何にもなりたくない』などと言い残し、学校から抜け出しています。

その後は、転職を繰り返し、しばらく書店員をしながら人間の精神的な幸福を観察する執筆作業を続けていたそうです。
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参考書籍

荒野のおおかみ (新潮文庫)

荒野のおおかみ (新潮文庫)


参考記事
ydet.hatenablog.com