精神的遊牧民

精神的に遊牧民化しているミニマリストのブログ.

言葉と論理

今回は、口語でのコミュニケーションの話です。

論理学には、トートロジーという概念があります。

トートロジーを分かりやすく説明すると、同語の反復を意味します。トートロジーは幅広く応用可能で安易に使えますが、論理の範疇が極端に狭くなります。

たとえば、イスラム国のメンバーである可能性のある相手に確認のため、『あなたはイスラム国に加入していますか?』と質問しても、『私はイスラム教徒です』といった言い方でしか返答しない場合、これがトートロジーです。

また、質問者の側がトートロジーを使う場合は、頻繁にその場所にそぐわない話や個人情報を同様の言い方で延々と聞いてくることがあります。

それゆえ、トートロジーは、倫理的に問題のある価値観を強引に押し通そうとする際にも利用されやすくなります。

また、トートロジーは個人的な感情論を全体の意見であるかのように偽装し、強引に押し通そうとする際にも利用されることがあります。

しかし、論理構造や論理連関には触れようとせず、ただ感情に訴えてこうした論法が使われた場合、その主張を鵜呑みにしてしまうとトラブルに巻き込まれる可能性がありますので注意してください。

それから、トートロジーは利用した側が短期的には優勢になることがありますが、利用した側にとって長期的な問題や損を発生させやすくなるという瑕疵があります。

ちなみに、トートロジーを使って対応されると、正確な返答を求めるため、地道に論拠を提示していっても常に的外れな同様の答えしか返ってこないから、人間らしい正常なコミュニケーションは成立しなくなってしまいます。

ところで、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』では、人間が機械のように管理された整然とした社会で、語彙が極端に乏しいニュースピークという言葉を話すことが強制されています。

しかし、真の人間性とは主として教養によって培われ、ボギャブラリーや寛容さや感受性に比例します。


参考書籍

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)


参考サイト
トートロジー(別名:同語反復、同義循環)
狭き門より入れ - 故事ことわざ辞典


参考記事
ydet.hatenablog.com