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日本の自殺者の実数

近年の日本の年間の自殺者の実数についてです。

近年、ネット上を中心にWHO(世界保健機関)の基準では変死数の半分を自殺者数としてカウントするようになっているのに、日本ではこの計算方法は採用されておらず、WHOの基準で日本の年間の自殺者数を計算すると、

自殺者(約3万人)+変死者の半数(約7万5千人)=自殺者数(約11万人)になるといった説が拡散しています。

統計上の自殺者が約3万人で、変死者が約15万人前後であるからということも論拠になっているようですね。

しかし、これはWHOが2004年の世界自殺予防デーの告知の中で『自殺はすべての暴力死のほぼ半数の原因』と述べていたことがあり、2005年の総務省行政評価局の自殺予防に関する調査結果報告書の中で、先述したWHOの2004年の世界自殺予防デーで告知した文章を『変死の原因の約半数は自殺である』と誤訳した為に起きた可能性があるという指摘あります。

繁華街を中心に時々起きている、高所からの投身や首都圏で頻繁に起きている鉄道自殺といった衝動的自殺の際、自筆の遺書がない場合は自殺として扱われない場合があること、欧州の多くの国では決行から72時間以内に死亡した場合に自殺扱いになるのに対し日本では24時間以内に死亡した場合にのみ自殺扱いになること、青木ヶ原樹海等の自殺名所で毎年沢山の身元不明の遺体が発見されていること、年間の失踪者が約10万人で届出のない場合を含めるとその数は更に多く、その中からも統計に反映されない自殺者が出ているといった複雑な要素を考慮すると、年間の自殺者の実数は、4万5千~6万5千人の間を推移している可能性が高いと考えられます。

そもそも、今年の元旦に厚生労働省の公表した平成26年の人口動態統計の年間推計によれば、2014年の死亡数が126万9千人だったことを考慮しても、年間の自殺者の実数が約11万人であるといった説には論拠が乏しいのです。

年間の自殺者の実数が、約11万人であるといった説は、非常にセンセーショナルでニュースとしての話題性は高いけれど、現実的ではないと言わざるを得ません。

平成26年の人口動態統計の年間推計を考慮しても、年間の自殺者の実数は、4万5千~6万5千人の間を推移している可能性が高く、公表されている統計の約倍程度と考えられます。

この場合も、日本の自殺問題は、国民の所得が高く、格差の少ない先進国では考えられない程特殊であり、最も深刻な社会問題であることには変わりありません。


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参考サイトmatome.naver.jp