精神的遊牧民

北海道の海辺に輝く朝焼けのように清らかなブログ

山谷の話

f:id:ydet:20140901091630j:plain

山谷(さんや)とは南千住(みなみせんじゅ)駅から泪橋交差点方面に進んだところにある大阪釜ヶ先の西成と並ぶ日本最大のドヤ街のことです。

山谷には以前から興味がありましたので、所用が重なり関東方面を回ることになったついでに散策しに行ってきました。

当日は日雇いの仕事で生計を立てているという50代の野宿者の男性に、数日前に降った雪が所々に残る山谷の街をガイドしていただくことになりました。日中の天候は雲間から時々お日様が見えて風がすくなく穏やかでした。

休暇中でもありましたのでガイドのおじさんにならって昼間から缶ビール片手に商店街のいろは通りに向い散策を開始しました。アーケードの中は殆んどシャッター通りになっていて寂れた印象がありましたが、開いている商店の値札からは物価の安さが伝わってきました。

80円とか100円の飲み物の自動販売機が密集している辺りでは白人のバックパッカーらしき姿を頻繁に目撃しました。最近の山谷のドヤは清潔で設備の新しい店舗も多いそうですから、長期滞在目的の外国人には意外と人気なのかもしれないです。

その後、組事務所や福祉事務所などの主なスポットをガイドしていただいて、住民達のコミュニティーを紹介していただいたりしました。

取材後の打ち上げは、大林(だいりん)という無愛想なお爺さんが注文を取る山谷の老舗居酒屋で行いました。ちなみに今回ガイドをしてくれたおじさんの場合、普段は日雇いの派遣会社に登録していて現場の単純作業に従事していることが多く、日給11000円程稼いでいて晩御飯は居酒屋で済ませることが多いとのことです。野宿者といっても人脈やコネの使い方を心得ていて経済的にそこそこ安定している様子でしたから、人生を気ままに謳歌されている印象を受けました。

ただ、このガイドのおじさんもそうでしたけど、住民にはコミュニケーション能力が意外と高かったり、ホワイトカラーの職業に就いていたことがあったり、教養のある方もいらっしゃったのですが、総じて精神疾患の傾向があったことが気になりました。やはりそういった事情でマジョリティの社会に疎外感や孤独や生き辛さを感じたり居場所がなくなった方には山谷のように受け皿として機能する場所も必要なのでしょう。

大林ではその名前も知らないガイドのおじさんが意味深な下卑た笑いを浮かべながら翌朝スゴいことになる、と薦めてきて本当にちょっとスゴいことになってしまったどぜう汁(どじょうの味噌汁です。普通味噌汁でも魚の頭は残すものですが、なんとそのどじょうは頭も食べられるとのことで丸ごといただきました。久し振りに酒が入っていてちょっと記憶が曖昧だったけどたしか380円)なる泥臭そうでしたが意外とあっさりした物を食しお開きになりました。

その帰り、路上で凍死してしまう野宿者が多いとの話を思い出してしばらく真夜中の山谷の路上を夜回りしていました。画像はその時に撮影したキリスト教の伝道所が炊き出しを行っている通りにある公園です。夜間、公園の中心部は施錠されているようで、外側には住民達の住処が密集していましたが、トイレと洗い場に利用できる所が隣接していると便利なのでしょう。

風のすくない穏やかな気候でしたが、真夜中の山谷を夜回りしながら3日振りに自宅に戻ったら山谷の話をレポートしてみようと思いました。
広告を非表示にする