精神的遊牧民

北海道の海辺に輝く朝焼けのように清らかなブログ

書籍『インターネット自殺毒本』

インターネット自殺毒本とは、1999年5月20日にマイクロデザイン出版社から発行された自殺未遂歴がある相田くひを氏のドクターキリコ事件を扱った本です。

事件の概要は、1998年12月12日に東京都杉並区の24歳の女性がシアン化カリウムを服用して病院に運ばれたことで、自殺願望者達がネット上でドクター・キリコを名乗る北海道札幌市の27歳の青年から保管委託という名目でシアン化カリウムを受け取っていたことが判明し、関係者3人が自殺するというものでした。

当時インターネットはまだ一般的ではなかったので、偏見でセンセーショナルな報道がされてサイトや関係者が非難されていたようですが、元自殺願望者の著者の意見は明解でロジカルです。

あとがきのインターネットでは不動産や国境という概念はないという考え方は、私も参考にさせていただいています。そして著者は自分の死後も管理されているサイトのデータがネット上のどこかに存在することを考えるとわくわくするといっていますが、確かにネット上であっても、故人が発していた欠片がいつまでも残り続けるという話には、ふしぎな安定感と穏やかさがあります。
 

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関連作では、1999年4月25日に河出書房新社から発行された矢幡洋著『Dr.キリコの贈り物』と1999年4月30日に太田出版から発行された美智子交合著『わたしが死んでもいい理由』の2冊がお薦めで、こちらも私の愛読書です。
 

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実は、この数日、これらの本をふたたび読み耽っていました。毒物で自殺するということには興味がないのですが、人知れず深刻な自殺願望や理不尽な苦しみを抱えている方にも、愛されるべき性質があることが伝わってきて何だか救いを感じました。きっと、ふつうの人が読んでみても面白いと思います。