精神的遊牧民

北海道の海辺に輝く朝焼けのように清らかなブログ

音楽『13』

『13』とは89年にイギリスで結成されたバンド、ブラーの6枚目のアルバムです。

このバンドのアルバムは、以前手記のなかで『パーク・ライフ』にふれていましましたが、とりわけ初期作品はポップ過ぎるものが多いので、路地カルが好きな方にはあまりお薦めできません。しかし本作『13』については、路地カル好きであるかそうでないかにかかわらずお薦めできます。

本作の曲には奇妙でノイジーなサウンドが多く入っていますが、慎み深い曲もあるので気分が沈んでいる時やただひっそりと音楽を聴いていたい時にも向いています。

アルバムを代表する一曲目の『テンダー』はゴスペル調の曲です。テンダー(Tender)には「扱いにくい」「親切な」「情け深い」といった複雑な意味があります。「あなたに寄り添うこと」「愛する流れに触れること」といった意味の歌詞と慎み深く穏やかな演奏は、喪ってしまったものを補完しようとするような意志の力を感じさせる音楽だと思います。

私が所有しているのは輸入版のBOXですが、青年が項垂れているデザインの紙製のケースにCDが収められています。モデルの表情は曖昧なのでよく判りませんが、繊細で控えめで、何か理不尽なことに損なわれ傷ついている印象がします。頭上に灯っている光は救いの隠喩でしょうか。

慎み深く繊細な方にとってもそうでない方にとっても良盤(だと思います)。99年作品。
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